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全国映画よもやま話

北海道映画文化の未来会議 李相日監督ら意見交換

2020年(令和2年)9月10(木)北海道新聞 夕刊

道内ロケ「土地の力強い」

「第1回北海道映画文化の未来会議」が道立近代美術館(札幌)で開かれ、李相日監督ら映画関係者が道内ロケの魅力やコロナ禍の映画祭のあり方について意見を交わした。

NPO法人北海道コミュニティシネマ・札幌が主催し、8月23日に開催した。

第1部は、道内ロケを行い、アイヌ民族もエキストラなどで多数出演した李監督の「許されざる者」(2013年)のメイキングを上映、斎藤歩・北海道演劇財団理事長、本田優子・札幌大教授を交えて鼎談した。

李監督は「(映画制作で)僕の力が及ばないところは土地や現場の力をもらう必要がある。北海道はそういう力が強い」とロケを振り返った。本田教授は「アイヌ民族を扱う映画にアイヌの方が出演したことは画期的。映画を見た関係者の間でいろいろな議論が起きたこともよかった」と話した。

第2部のシンポジウム「ポストコロナ社会における北海道の映画文化振興」は、札幌市や夕張市など道内5映画祭の関係者が登壇。中止を検討している映画祭はなかったが、オンライン開催にしたり規模を縮小したりと、開催方式が分かれている状況が報告された。

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の深津修一エグゼクティブプロデューサーは「コロナ禍でも、コンペなどを通して映画人を育てる理念は貫きたい」と話した。(岡高史)