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全国映画よもやま話

人気漫画「ラジエーションハウス」の原作者 横幕智裕さん

2019年7月9日(火) 北海道新聞朝刊

人気漫画「ラジエーションハウス」の原作者

横幕智裕さん

放射線技師の活躍を描いた漫画「ラジエーションハウス」の原作を手掛ける脚本家。最新機器を駆使して病変を見つける現代医療に欠かせない存在にスポットライトを当て、3年半前から集英社の青年漫画誌「グランドジャンプ」で連載する。4~6月にはフジテレビ―UHBの「月9」枠でドラマ化された。

医療に関する作品は、医師や看護師を中心に物語が展開されるのが王道だが、「放射線技師は医師を支える重要な存在。伝える価値がある」。現役技師に何度も取材した。コンピューター断層撮影装置(CT)などを扱う高度な技術に驚き、医療全般の知識を学んだ上で的確な画像を撮影していると知った。

十勝管内音更町出身の48歳。帯広柏葉高時代に隣町の映画館まで自転車で通うほどの映画好きだった。k関東の大学に進学し、アルバイトでドラマの企画書を書いたが、「脚本家として食べていく自信が持てなかった」ため、卒業後は十勝の農協に就職した。それでも夢を捨てきれず、17年前、東京の映画祭に脚本を出品すると準グランプリを獲得。農協を辞めて上京し、脚本家として歩み始めた。

今やドラマや映画の脚本も手掛ける人気作家。民間の科学鑑定調査員を主人公にした漫画の原作など多彩な作品を手掛け、「人と違う視点を意識し続けている」。どの作品も人間模様を温かく描き、「根っからの悪役は書かないので」と穏やかに笑う。川崎市在住。

(土井若楠)