北海道新聞2008年1月掲載分より転載
東京大空襲の映像作品を製作した 蒲生美緒(がもう・みお)さん
東京大空襲・戦災資料センター(東京都江東区)で14日まで開催中の特別展「VOICE」で、映像作品「トウキョウ・ソラ・ヒト」(17分)を発表している。
同展には、写真や映像で戦争を伝えようと若手アーティスト5人が参加。「トウキョウ―」では、大空襲の犠牲者のうち1万3千人が仮埋葬された公園で遊ぶ現在の母子の映像に、体験者の女性の声を重ねた。
「家族のために銀しゃりのお釜を抱えて逃げた妹も死に、橋の上で、私の頭に自分の防空ずきんをかぶせ『川に飛び込め』と叫んだ父母も、死んだ」。女性への取材で実感した63年前の地獄。「どこまで彼女の痛みや悲しみを想像できるか」と自問した。
後志管内余市町出身。小学生の時、大空襲で犠牲になった黒焦げの母子の写真に衝撃を受けた。小樽潮陵高から早大へ。同センターを訪れ、その写真に再び対面した。
「戦争を切り口に人間の本質に迫ろう」。広島やカンボジアを巡り、傷跡を映像にした。民族対立で虐殺が起きたルワンダで、両親を殺された少年兵の「殺したやつを許せたら自分も救われるかも。でも許せない」との葛藤に触れた。「憎み続けて生きることはしんどい。他人を思いやる想像力が何かを変えるかも」と光を見いだす。
足が速く、中体連全道大会のリレーでは決勝に進んだ。22歳、3年生の今、カメラを手にジャーナリストの道を走り続ける。
(岩本茂之)
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