2006年11月6日(月)北海道新聞朝刊より
彫刻家イサム・ノグチの母描く
孤軍奮闘の人生 映画に
世界的彫刻家として知られる日系米国人のイサム・ノグチ(一九〇四-一九八八年)の母親をテーマにした映画の製作を、映画監督の松井久子さん(60)が企画している。すでに、脚本を書き上げ、ラストシーンはノグチが晩年に基本計画を担当した札幌・モエレ沼公園に決めた。製作費は約六億円に上る見通しで、松井さんのファンらが「映画の実現を」と支援活動を始めた。
ラストシーンはモエレ沼
松井さんは介護を通じて家族のきずなを描いた映画「折り梅」の監督として知られる。今回計画しているのはノグチの母レオニー・ギルモア(一八七四-一九三三年)を主人公にした作品。レオニーは米国で、日本人詩人との間にノグチをもうけ、未婚の母として、ノグチを育てた。幼い息子の将来のためにと、明治期の日本に移住。孤独や生活苦に耐え、ノグチの芸術家への道を支えた。
映画では、青春時代から亡くなるまでのレオニーの姿を、ドキュメントタッチで描く。ドウス昌代さん(岩見沢市出身)著の「イサム・ノグチー宿命の越境者」を原作に、脚本も松井さんが手がけた。ラストシーンでは、ノグチが「公園全体が彫刻作品」とし、代表作の一つでもあるモエレ沼公園に、レオニーが天上から舞い降り、公園を見渡す。
製作費は「折り梅」同様に、企業の賛助金などで賄う予定。だが、今回はアメリカロケの計画もあり費用はかさむ。思うように集まっていないのが現状だ。松井さんのファンら約二十人で構成する「マイレオニー」が、松井さんとは別に、広く賛助金を募ることにした。
会員で札幌市南区の会社員大居智子さん(51)は「北海道にも縁の深い映画。モエレ沼公園の魅力を世界に発信できると期待している」と話す。
製作費のめどが立てぱ、来年秋にもクランクインする。松井さんは「過酷な状況でだれにも頼らず、人生を切り開いた女性の生命力、母の力を描きたい」と力を込める。
支援活動の問い合わせはマイレオニー事務局(03・3746・0828)へ。
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