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学校図書館を充実させる運動や女性議員を増やす活動に取り組んできた札幌市豊平区の細谷洋子さん(57)が、先月から市民出資の映画館「シアターキノ」に併設するカフェの店主になった。

経営難から閉鎖の話も出た店を引き受けたのは「映画館には、居心地のよいカフェが欲しい」との思い。
シアターキノは2年前に亡くなった細谷さんの長女が愛した映画館でもあった。「娘が背中を押してくれた気がするんです」。
市民運動の活動家は今、カフェ店主として奮闘中だ。(川村史子)

シアターキノは、大手の映画館が上映しない海外の秀作を札幌で紹介しているミニシアター。特定非営利活動法人(NPO法人)「自由学校・遊」理事なども務める細谷さんは、市民株主の一人でもある。

大手シネコン開業の影響で、ミニシアターの運営は厳しい。併設する直営の喫茶室「キノ・カフェ」も客足が減り、昨秋の株主総会では閉鎖の声も出た。閉鎖の話に細谷さんの心は動いた。「映画館とカフェは切り離せない。ましてや娘が愛した映画館からカフェがなくなるなんて」

細谷さんの長女の未来さんは、北海道大学で中国文学を専攻し、卒業後、台湾の台北市近郊の大学で講師として働いていた。

しかし、二年前、胃がんで倒れ、緊急帰国後まもなく、帰らぬ人となってしまった。三十一歳だった。

未来さんは、中国映画の大ファン。採算にとらわれず海外の秀作を紹介するシアターキノは大のお気に入りで、足しげく通う応援団でもあった。未来さんの思いも重ね合わせ、細谷さんはシアターキノからの委託という形でカフェの新店主を引き受けた。

店内を改装し、メニューや価格も新しく変え、三月十日に営業を始めた。平日は午前十一時から午後三時半までだった営業時間を午後七時までに延長。コーヒーも気軽に飲めるよう五百円を三百五十円に値下げした。ワッフルセットなど軽食のメニューも増やした。

店主になって1ヶ月。「忙しくて10キロ近く体重が減った」と苦笑する細谷さんは「カフェが映画の楽しみを彩る、そんな空間にしたい」と話す。「娘も、カフェがなくならないように、お母さん、頑張ってねと、応援している気がするんです」

キノ・カフェは火曜定休。TEL.231-9775