昨年の3月22日、アメリカは「韓米自由貿易協定(FTA)締結交渉を開始する前にスクリーンクォーター制問題が解決されなければならない」という声明を出した。それを受けた韓国公正取引委員会のカン・チョルギュ委員長の答えは「政府は、スクリーンクォーター制を縮小する案を検討している」(4月4日)。さらに9月、米通商代表部はスクリーンクォーター制と牛肉の輸入再開を強く求め、それを受けたノ・ムヒョン大統領が、年が明けた2006年1月18日、新年演説の中で韓米自由貿易協定締結の必要性を力説。この演説がスクリーンクォーター制の縮小を決定づけた。
1月26日、ハン・ドクス副総理兼財政経済部長官は「7月1日から、スクリーンクォーター制が現行の146日から半分の73日に減る」と明らかにした。これに対する映画界の対応は素早かった。映画人対策委員会(共同委員長アン・ソンギほか)たちは、監督協会の試写室で会見を開き、経済財政部、外交通商部、文化観光部長官の退陣とスクリーンクォーター制縮小の撤回を要求した。
そして2月4日にアン・ソンギが光化門前で一人デモを行った。このデモはリレーのかたちで行われることになり、2日目はパク・ジュンフン、そして3日目がチャン・ドンゴンときて、チェ・ミンシクにつながった。
韓国の対外国映画の市場シェアは04年で59%もあり、05年もほぼ同様と予想されている(日本は05年41%)。韓国映画はとても元気がよく、スクリーンクォーター制が縮小されても影響は受けないのではないかと訊いた。クァン氏が代表して「確かに、ヒット作の影響は少ないかもしれないが、ハリウッド映画の上映が増えることで、韓国の若い監督たちの小さい作品は上映される機会が奪われることになる」と答えてくれた。確かに、韓国のインディペンデント作品は今でさえ弱いところに、上映機会が減ればますます苦境に陥る。そして人気俳優が積極的に活動に参加することについてはチョン・ジニョンが「映画人としては当然のことであり、今はいいが先のことは分からないし、次世代の映画人のためにこの権利を守ることが我々の義務だと思う」と答えてくれた。
チェ・ミンシクは2月7日の一人デモで、韓国映画の国際的地位を向上させた功績が認められて授与された王冠文化勲章を文化観光部に返納した。8日になると、デモの勢いはさらに強まり、参加者にはイ・ビョンホン、チョン・ドヨン、ペ・ドゥナ、イ・ジュンギ(「王の男」の話題の美青年)をはじめスーパースターが続々と参加し一人デモというかたちはとれなくなったが、揺ぎ無い地位にあるスーパースターたちが、現場の映画人たちと並んでひたむきに講義するさまは感動的であった。韓国映画の元気さは、まさしく彼らの行動力が支えている。 |