新潟シネウインド会報 2005年7月号 声風欄より転載
私達は地元尾道で市民団体活動しています。この街に映画館を再建するためです。2004年9月に立ち上げ、主に20代〜30代のスタッフで活動しています。結成当初は5名でしたが、今はメンバーも少しずつ増え20人ほどになりました。
尾道は全国的にも『映画の街』としてとても多くの人達に周知されています(大林監督の尾道三部作、小津監督の「東京物語」など…)。しかし、今現在尾道には映画館といわれるものは1館もないという悲しい現状があります。映画を愛し、この尾道が好きな私達にとってそれはあまりにも厳しい現実です。
「尾道は映画の街なのに、何で映画館がないんじゃろう…」そう尾道の人達は口にしますが、映画館がないという日常は心ならずも過ぎていきます。最後の映画館も3年前にとうとう閉館してしまいました。この尾道に「映画館」という「日常の文化」がなくなったという現実に、私達は危機感のようなものを感じ始めました。そこで、この現状をなんとかしていきたいと、『尾道に映画館をつくる会』というグループを作って活動を始めました。
資金の面や、シネコンが主流になり、更に映画を家で鑑賞できる環境がますます発達し、映画館離れとも言われるこの現代で一体どうやったら映画館を再建して恒常できるかという大きな問題に私達は立ち向かっていかなくてはいけません。近年シネコンの進出により、中心市街地の映画館が相次いで閉館し、車のないシニア層や、中高生がますます映画鑑賞の機会を失っています。尾道だけでなく、現在多くの街では『映画館』が姿を消しつつあります。私達はまず、尾道に住む人達の映画に対する意識を変えていくことから始めようと考え、自主上映会を定期的に行うことを計画しました。実際、尾道に住んでいる人達の中には、地元に映画館がないという理由だけではないのですが、2〜3年映画を観ていないという方々が多い現状があります。特に年配の方々に多い傾向です。この上映会を通じ、映画という芸術を複合的に生活の一部に感じられるようになればと考えています。そのためには、尾道でたくさんの人達と協力しあいながら進めていこうと街全体に呼び掛けを始めました。
第1回上映会(1/16)では、松竹さんが小津安二郎監督生誕100年を記念して製作した『珈琲時光』を上映し、1日上映で519人のお客様がお越しになりました。第2回上映会『父と暮せば』(3/12)では、なんと前回を上回る861人のお客様がお越しになり、盛況に終了いたしました。主催した私達の予想以上に、地元の方々の映画に対する思いの高いことがアンケートや会場の雰囲気から感じられ、私達も頑張っていかなくてはと、背中を押されるようにも感じています。
私達はこれからも映画館再建に向けてさまざまな活動をしていこうと考えています。地元の市民の方々は温かいのですが、やはり肝心の行政や公的な動きとなるとなかなか難しい現実に直面しています。シネ・ウインド様も市民の方々が映画館を再建し、現在運営をされているとお伺いし、是非今後さまざまな御意見や、映画館再建への経緯などお伺いできればと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。
[尾道に映画館を作る会実行委員 代表 河本清順]
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