TOP > 全国映画よもやま話 > vol.002


新潟シネ・ウインド発行 「月刊シネ・ウインド」より

 新年明けましておめでとうございます。昨年十二月八日から「シネ・ウインド」は二十年目に入りました。
 昨年は、七・一三水害、十・二三震災が続き大変な年でした。今年は、言葉通り、「新年」明けて、平穏な年になることと、皆様のご健勝を心よりお祈りいたします。

 二十年前のオープン当時、「シネ・ウインド」は、「非日常空間」と呼んで居りましたが、それは、矢張り「日常」平穏な日常があって成り立つことです。世界では、常に戦場があり、近所に殺人、拉致が日常化して居る場合、その事の方が、日常であり、平穏な事が非日常ではないのかと変に思ったりもしました。

 地震の当日、上映を中止しなかった事等批判も受けましたが、「シネ・ウインド」の役割りとは、何か。こんなに大変な時に。ライフラインが遮断されたこんな時に。映画なんか上映して。

 「シネ・ウインド」は、そんな時でも、日常的に平穏に、八十六席の小屋で、人の営みの多様さを紹介し、それが、各自観た人達に依って各々再生されていく事を、依怙地になってもやり続ける所なのです。

 私の四十年前の新潟地震の時の経験ですが、私の一番恐かったのは、自然災害ではなく、人間が恐いのです。恐ろしいことを考えついたり、実行してしまうのは人間です。それを何となく解らせてもらったのが、「坂口安吾」だったり「気狂いピエロ」だったりしたのかもしれません。もちろん、人間の恐さを知ったと同時に、人間の素敵さも知る訳です。携帯がなくても、家が無くても、元気で生きていく人達もいます。逆に、世界ナンバーワンの金満国家になっても、自死する人達は増え続け、自分を不幸だと思い悩み続けています。

 太古の昔より、自然の原理は変わりません。変わったのは、人間の方です。人間の見方、認識の仕方が変化し続けています。もっと人間は素敵に変わる必要があります。その事のお手伝いを、今年も「シネ・ウインド」が出来れば良いなぁと思っています。今年も皆様がより倖せになれます様に。