登場するなり、「私は不祥事はございません」と
まずギャグをかまして、みんな大笑いになり会見が始まる。


●志の輔師匠の「歓喜の歌」をやろうということになって、志の輔さんが公演をやっている楽屋に行ったわけ、そしたら師匠が「今度、私のを映画化していただけるってことで、よろしくお願いします」と真っ先に言われ、こっちは落語の主任のように「エェー」となってしまった(笑)
●師匠は、公演などで全国をまわっていて、ホールの担当者ともよく会っていたらしいのね。小役とも会っていた。だから、あのネタがよーくわかっている(笑)
●ということで、映画化話が、もうずんずん進んでいて、脚本に取りかかったわけ。落語で印象的なのは、ギョーザ、つまり心の変化。ここをどう映画的な面白さに変えることができるかが、腕のみせどころかな。
これは、師匠に映画を見てもらった後の感想だけど、「映画って面白いですねえ、映画の展開があるんですよねえ」と言ってもらえて、ちょっとは見せれたかなあーと。


●落語の原作からふくらませたところは、ニートやタクシー運転手、妻と子供などいろいろあるけど、基本は、群像劇をやりたかった。いろんな人の人間模様。少しだけ絡んだりする人も、あらゆるところに絡む人も、それぞれの人生に、それぞれの着地点があって、人間の素敵な部分を出したかった。全員が良い人と思えるものにするのはなかなかハードルが高かったけど(笑)、出演してくれた人たちの全てを、おろそかにしたくなかった。
●それと、脚本のポイントとして、ダブルブッキングから始まって愛人と借金など、あらゆる問題が起きてくる(笑)。それまで溜めていたのか、年末になって怒涛のように全部押し寄せてくる(笑)。主任役の小林薫を困らせるアイテムが満載(大笑)。そうやって雪だるま式に物語が展開するんだよね。

●由紀(さおり)さんが、慰問でコーラスをやるところがあるけど、これは、由紀さんが本当にいろんな町でやっていることで、是非やりたいと由紀さん自身が言ってくれた。そのままだと金持ちがただの悪役になってしまうので、丁度悩んでいたところで、それと、ダイアナ追悼ライブを見て、ダイアナが慰問した目の見えない人がライブに来ていて、それがいいなあと。ママさんコーラスの信念があるところも見せたかった。
●安田成美さんは、人をひっぱる力があり、ガチャガチャ言ってくるような人(笑)ではなく、一陣の風のようなリーダーが欲しかった。トヨタのCMで仕事をして、ピッタリと思ったの。でもねえ、白鳥の湖のシーンは、さすがに安田さんもここまでやらないといけませんかと笑ってた(笑)
●役者と、解釈の違いが現場で起きないように、日頃からコミュニケーションを取り、解決するようにしている。解釈が間違っている時は、早めに伝えて、現場でのぶつかり合いをなくすようにしている。役者の調子は、具合が悪そうだなあとか、機嫌が良くない等、よくわかる。逆に、役者の様子がわからない人は監督に向いてないでしょうね。
●役者はね、脚本を読んで、もう自分の未来がわかっているから、演技をするときは、終わりから逆算して演技をするもんなんです。

●映画を作ることは運!!です。
映画作りは計算されていそうだけど、そうでもない。その時のキャストとのスケジュール調整などあるからね。でも、今回はうまくいった。運良かったよ!
●皆さんに共感してもらえるのは、意図ではない。気持ちが、人に共感してもらえるものになる。
●志の輔師匠の落語のマクラでも、バス事故に遭った時、(乗客が)一緒に歌を歌ってお互いを励ますところがあるのだけど(ここからの入り方が師匠めちゃめちゃうまいですよ)、みんなで一緒に歌える歌があるのっていいよね。ラストの歌も、そんな気持ちで選んだ。ちょうど阿久悠さんが亡くなったので、その気持ちも込めました。
●今の映画はね、マーケティングして、ある世代だけ通用するものが多いけど、今回はそういうのじゃなく、本当に誰でもが楽しめる作品になっていると思うんです。(もう皆で拍手しちゃう気分でした)