この内容は、キャンペーン取材をまとめたものですが、藤田弓子さんの人柄も伝わってくる、とっても素敵なもので、私も大ファンになってしまいました。(採録責任 中島洋)

一番好きなシーンは?

実は、全くセリフがないところなんですけど、病院で夫がベッドで寝ている横で、仕事のリフォームをやっているところなんです。

コーラスのシーンは大変だったでしょう?

安田成美さんは指揮を大変練習なさったんでしょ。だから、指揮しながら歌を覚えているんですね。私たちは安田さんの口パクを見てリードしてもらったんですよ。それで、ママさんたちは、もうピシッと動かないでしょ?私たちは顔で歌うんですよ。女優達は顔で勝負してましたね(笑)。でも、自然と体がなんか動くようで、本当に喜びの歌なんですねー。
私、住んでいる伊豆で、劇団の座長をやっているんです。町の劇団なので、コーラスと同じですよね。趣味は劇団(笑)なので、コーラスはよくわかるんです。劇団は17才から75才まで、いろんな人がいるんですが、劇団に来ることで仲間が出来るんです。コーラスも芝居も、みんなで一緒に作るのがいいんでしょうね。

どんな歌がお好きなんですか?

やっぱりジャズ系ですね。サラ・ヴォーンとかエラ・フィッツジェラルドとか。演歌なら、都はるみ。お酒が入るとすごいですよ。女優ですからね、超感情過多の「北の宿から」になります(笑)。

ラストクレジットにかかる、クレイジーケンバンドの「あの鐘を鳴らすのはあなた」がいいですねえ。

歌う人達の気持ちが、これに象徴されているような作品ですね。実は、この歌を、参加者全員で歌いたかったですねえ。

小林薫さんはどんな方ですか?

5〜6才しか違わないのに親子の役もやったことがあるんですけど、本当に幅広いですね。今回のは、ぶっちゃけて言うと、怪演!ですね。もう、絶対、主演男優賞ですね。素晴らしい喜劇俳優です。最後の顔は必見ですね。もう、本当に素晴らしい。夫婦も心と心で結っている、諦めずにいれば、人は捨てたもんじゃないと教えてくれました。志の輔落語のいい所が、とてもうまく出ていますね。
もうひとつ、本当にプロ中のプロの役者さんだと思いましたね。実は、この作品は真夏に撮影したんです。それも、猛暑と言われていた熊谷市でしょ。本当にすごい暑さだったのに、オーバーを着てマフラーをして、汗ひとつかかないんです。鍛えていらっしゃいますね。私の職場になっているリフォーム店は、本当に狭いんです。そこで冷房つけちゃうと音が入るでしょ。そしてストーブまで点いているんですよ(笑)。もう、体内温度が上って美味しくできた蒸しパンでしたね(笑)

監督ってどんな方ですか?

とてもかわいいですよ(笑)。いつも女性スタッフが囲んでいる、モテモテ状態。何かしてあげたくなるんでしょうね。皆に意見を聞いて一緒に作るというチーム感覚とても強いです。スタッフから信頼されていることが、映画を観るとわかりますよ。特に今回のように群像劇だと、余計そうでしょうね。監督は人間が好きなんです。どんな人もいとおしい。

志の輔さんの反応はどうですか?

映画をとても気に入ってらっしゃいます。試写会で私も泣いちゃったんですけど、実は私の前に志の輔師匠がいらっしゃいまして、「原作者なのになぜ泣けるんだろう?」と言って、また泣いていました。原作の落語も、聞きながら泣けちゃう。原作でも、漫画だと描き込まれていてイメージが広がらないけど、落語が原作ならイメージが膨らむ。会話劇に画がついている感じですね。

旅はお好きなんですか?

寒いときに、寒いところに行くのが好きなんです。季節がはっきりしていて、特に冬の準備や春の準備をしている時期がいい。人の営みが多いんです。

映画はいかがでしたか?

女性達がチャーミングよね。仲間がいるでしょ。もう生活もみんな大変なのに、でもみんな、大変だからこそ、合唱をやるんですね。娘役をやってくれた朝倉あきちゃんが言ってくれるでしょ、あそこがいいですよね。試写で見て、泣いちゃいました。

セリフがグサッときましたね。

北京飯店を閉めればいいじゃないというのに、「お父さんが帰ってきたとき・・・」あるでしょ。すごくいいセリフですよね。みんな、それぞれに生活の背景があるのがいいですねえ。夫婦仲が悪いのに、修理できそう、希望がありますね。なんか、この映画を見ていると、人間らしくいられるって気がするんですよね。
「歓喜の歌」は、オーソドックスな、きっちりとした喜劇映画。脚本がしっかりしていて、土台がしっかりしています。私は文学座喜劇出身なんで、自分のことを言ってたんですけど、でも喜劇は本当に難しいんです。だから、こんな素敵な喜劇ができたことが、出演者の一人として、本当に嬉しかった。
映画はいつも新鮮ですね。一作一作、オーディションだと思ってやっている。終わって松岡監督が「またね」と言ってくれて、嬉しかったぁ(笑)。映画の終わりに北京飯店の前で、皆で記念撮影したんです。本当に、大人が見られる映画になったと思います。

皆さんへ一言お願いします。

「心を込めて、作りました」の一言に尽きますね。

1/16(火)共済ホールでの「歓喜の歌」試写会の舞台挨拶(要約です)

●大人が観れる、良質な喜劇ができあがりました。みんなが一人ずつ、家族の事情があるでしょ。その背景がきっちり描かれているから、人間が面白いと思いますよ。なかでも小林薫さんの主任さんがすごいです。こんなに素晴らしい喜劇役者はそういません。

●撮影する前からコーラスの練習を始めまして、練習は大変でした。ママさんたちは、とってもうまいでしょ。もう素晴らしい。私たち女優は、顔で歌っていました(笑)。コーラスはいいですね。歌っていくなかで、一体化できて嬉しかった。

●小林薫さんは、本当に凄い方です。実は、これは真夏に撮影していたんですが、猛暑の中を走っても、小林さんは汗ひとつかいてない。私は冷房なしでしょ、撮影で見事に痩せました(笑)。私、ここで予言します!主演男優賞は、絶対、小林薫さんです。1年後になっても、きっと忘れないと思います。

●松岡監督は、人間が大好きなんです。とても皆に好かれた監督です。みんなの愛情で、この作品ができました。(大拍手)